百人一首 16番「立ち別れいなばの山の峰に生ふる」

上の句
立ち別れいなばの山の峰に生ふる
下の句
まつとし聞かば今帰り来む
作者:中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)
和歌の意味(現代語訳)
ここでお別れして因幡の国に行くが、あの因幡の山の峰に生えている松の名のように、あなたがわたしを待っていると聞いたなら、すぐに帰ってこよう。
出典・時代背景・文法事項など
出展は『古今集』365。「いなば(因幡・往なば)」「まつ(松・待つ)」の二つの掛詞はここでもっとも重要な技巧であり、別れを惜しむ心情を歌に込めながら因幡の国の情景をも喚起させている。
決まり字「たち」
上の句を「たち」まで聞けば、取り札「まつとし聞かば今帰り来む」が確定する2字決まりの札です。
「た」で始まる札(友札)はほかに次の5枚があります。聞き分けに注意しましょう。
- 4番 田子の浦にうち出でて見れば白妙の(決まり字「たご」)
- 34番 誰をかも知る人にせむ高砂の(決まり字「たれ」)
- 55番 滝の音は絶えて久しくなりぬれど(決まり字「たき」)
- 73番 高砂の尾の上の桜咲きにけり(決まり字「たか」)
- 89番 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば(決まり字「たま」)
百人一首を始めるなら
競技かるたを目指すなら、下の句の背景に決まり字が印刷された『小倉百人一首 きまりじ 全日本かるた協会公認 かるた』で「かるたの目」を養うのがおすすめ。
百人一首と競技かるたの魅力を知るなら、漫画『ちはやふる』もぜひ。
